「県内唯一のアイスリンク営業終了へ」愛媛新聞2024/04/01

2024年4月1日付けの愛媛新聞の朝刊で取り上げてもらいました。

少しでも、おおくの方に興味、関心を持っていただければ嬉しいです。


「見出し 県内唯一のアイスリンク(松山)営業終了へ」

2024年4月1日付愛媛新聞 (掲載許可番号:d20240405-04)

県内唯一のアイスリンク(松山)営業終了へ


競技継続へ 新規拠点模索


県内唯一のアイスリンクを備えるイヨテツスポーツ センター(松山市三町3丁目)が2027年1月をめどに営業終了すると発表されて1年余り。
リンク閉鎖 によって、市民が50年以上親しんできたスケートの楽 しみがなくなるのに加え、ここを拠点に活動するアイ ススポーツは競技継続が難しくなる。
競技関係者たち でつくる「県スケートリンク設立の会」は3万3千人 分(2月末時点)の署名を集め、県内の自治体や企業に リンク新設ができないか働きかけている。
みんなの特 報班(通称みん特)が現状を報告する。(門屋駿介)

3月上旬、日曜のイヨテツ スポーツセンター。
午前10時の一般営業開始前にアイスホ ッケーチーム「愛媛オレンジ ホーネッツ」の小学生が練習 していた。
10年に立ち上げて 選手は右肩上がりに増えた。 活気あるチームなのだが、保護者の一人はこぽす。
「リン ク廃止が決まってやめた子も いる。先が見通せず(子ども が競技を)続ける意味があるのか不安」。
チームの選手や カーリングの中学生から県内 で続けたいという声を聞くと いう。
東温市にあったスノーボー ド施設「アクロス重信」が12 年1月に閉鎖してから約12 年。
競技力の停滞につながっ たとみられており、「設立の 会」はスケートでも同じこと が起きるのではないかと懸念 している。
イヨテツスポーツセンター は1966年の開業。夏場は プール、10月から約8カ月間 はアイスリンク。無休で営業し、年代を問わず県内外の客 が訪れた。
アスリートではフ ィギュアスケートの島田高志郎選手、スピードスケートで2018年と2年の冬季五輪 に出場した郷亜里砂さんが練習拠点としてきた。
競技関係 者は「(17年の) 愛媛国体な ども経て各競技で強化が進ん だ」と振り返る。
閉鎖が決まったのは、施設 の老朽化に加え、一般利用者 がピーク時の約25%に当たる 年間約5万人まで減少したこ と、電気代はじめ維持費の高 騰が理由だ。利用者数は新型 コロナウイルス禍前の19年の水準まで回復しておらず、厳しい経営が続いている。そうでなくてもリンク新設 には土地・施設・維持管理で 多額の費用を要する。
「設立 の会」は、自治体に土地を譲 り受け、民間が運営する構想 を描き、県、市町、企業を回 って新設の可能性を探ってい る。参考にするのは複合施設 としてリンクを有する事例だ。


維持費や収益面課題

町づくり視点で関係者奔走


徳島市の「東部防災館おき のすインドアパーク」は23年 9月の開館。県に寄付された 旧新聞印刷工場を改修し、指 定管理者が運営する。災害が 起きたとき物資を集め輸送拠 点にする機能を備える一方、 普段はスケートリンク、卓球 などができる体育施設、学習 室、カフェ、学童保育もやっ ている多目的スペース。
青森県の「フラット八戸」 は通年型リンクに断熱式フロ アを敷いて体育館としても利 用でき、アイスホッケーとバ スケットボール男子Bリーグ のチームが拠点を置く。八戸市の土地を企業が買い、民設 民営で運用している。
「設立の会」は、関心を示す自治体と一緒にこうした施設を視察し、新設の可能性を探っていきたい考えだ。
リンクを維持していくには 収益にも目配りが要る。
県ア イスホッケー連盟は、イヨテツ スポーツセンターに50歳以上の全国大会
「オールドタイマー」(4月19~21日)を招致 した。
25年には小学校低学年 の全国大会も計画中という。
「設立の会」事務局長の藤田 直人さん(49)は「一般利用よ りも利益の大きい貸し切りを増やすなど競技団体としても できることをしたい」と支援 していく姿勢だ。
イヨテツスポーツセンターと同じように企業が60年間運営してきた「岡山国際スケー トリンク」(岡山市)は、11年ごろに億単位の赤字を抱えた。施設をリニューアルして経費削減にも努めてきたが、 近年の電気代や資源の高騰で経営は厳しさを増しているという。
リンクを運営するマルエス 冷蔵の萩原克彦代表は「(引 き受け手を見つけるには)クラウドファンディングなどを通じて資金を募るだけでなく、施設の必要性を感じる社会全体の機運を高めることが 不可欠だろう」とみる。
北国とは環境の異なる温暖な西日本にウインタースポーツ施設がある意味。費用負担。経営を維持する難しさ。さま ざまな要素を踏まえ、道筋をどう描いていくか。
「設立の 会」事務局長の藤田さんは、 自治体や企業への働きかけを念頭に「町づくりやにぎわい の拠点の一つとして受け入れ てもらいたい」と話す。


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